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絶対に凍らないはなし

北極や南極の魚は、氷の結晶を成長させないタンパク質で身を守っています。

Cool news

Issue 5 December 2000 by Vivienne Baillie Gerritsen

霜が降りるほど寒い朝、フロントガラスにスプレーする凍結防止剤は新しいものではありません。北極海の魚はT型フォードが考え出されるずっと前から凍死しないような方法を編み出してきました。いくつかの生物は厳しい環境を生き延びるため、塩化ナトリウム(塩)やカリウム、カルシウム、尿素、遊離アミノ酸、あるいはグリセロールといったものを利用していますが、北極海に住むノトテニア亜目の魚(yellowbelly rockcod)は、より洗練された方法で高い不凍性能を作り出して北極や南極の環境で生きています。これらのタンパク質は、他の不凍分子よりも100から200倍も効果的で、ほとんどのノトテニア亜目の体液に含まれており、氷でいっぱいの水の中でこれらの魚が過ごすことを可能にしています。また、北半球の温暖な海で過ごす魚は、季節に応じて不凍タンパク質を合成しています。

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ノトテニア亜目 - Wikipedia

魚が海水中の氷の粒子を飲み込まずに泳ぐことはできません。氷の粒がさらに大きくなると体に負担をかけるので、氷の結晶がより大きくならないような不凍タンパク質を作っています。不凍タンパク質はどう働いているのでしょうか?有力な説としては、極性のある分子の働きによる、というものです。不凍糖タンパク質は北極海のノトテニア亜目に見つかり、その一次配列はThrが糖修飾されたトリペプチド(Thr-Ala/Pro-Ala)nの繰り返しです。これらトリプレットはわずかに極性があり、極性の高い水分子にまとわりついてコーティングし、結晶の成長の芽を摘むと考えられています。

このような「まとわりつき」は、不凍タンパク質の水酸基・カルボキシル基・アミノ基と氷の結晶状の水分子の酸素・水素との水素結合を形成します。そして、不凍タンパク質は局所的な構造形成をして、鎖の片側が氷の水分子と結合し、もう片側は水分子と結合しないように位置するのです。結果として、タネとなる氷の結晶の成長を妨げるのです。

繰り返しユニットをもつ大きな分子は小さいものより効果的です。なぜなら、より多くの水素結合を一つの氷の粒の上で形成できるからです。もちろん、もし、トリペプチドこの空間的な配置が氷の結晶の水分子に合っていればですが・・・。このペプチドが完全に伸びきった状態だと氷の結晶とうまく結合できるようです。ペプチド上の二糖がバックボーンとなった時には、カルボニル基が7.3Åの間隔になり、これは氷の結晶のc軸に沿った酸素原子と置き換わることができるのです。

不凍タンパク質はまた、魚が熱を失った時にできる穴を埋めることもできます。冷却時に細胞上の分子は集まり、開いた部分を形成してしまいます。これでは穴を通して水が入り込んでくるので望ましく有りません。不凍タンパク質は細胞をコーティングして耐水性にし、魚を死から守る役割も果たしているのでしょう。

ノトテニオ亜目の遺伝学も特に興味深いです。 このトリペプチドは、氷の結晶に結合する消化タンパク質の小さな集まりから進化したと考えられます。 消化タンパク質の中から不凍能のあるタンパク質を選び出すよりも便利なので、驚くべきことではありません。 進化はノトテニオイデイ亜目が南極海での最初の凍結に生き延びる術ものこしてくれました。もっと面白いことに、南極海が冷え始めたのは1000万年前から1400万年前で、これらの遺伝子配列が多様化したのも500万年まえから1400万年前ということです。

凍結防止物質の用途は珍しくはありません。たとえば、組織を壊すこと無く冷えた状態で保存する方法がそうです。現在、人間の組織は殆ど冷凍保存出来ませんが、精子は保存出来ます。それでも3分の1は冷凍時に失ってしまいます。こういった組織の保存に利用出来るでしょう。また、不凍タンパク質は凍結から守るために穀物にも導入されています。ただ、にんじんの不凍タンパク質がもっと効果的で安定であることが発見されています。

また、冷凍保存の分野でも利用できます。ヒトをそのまま冷凍することのほかに、移植手術の時に臓器を必要なときに冷凍庫から取り出してすぐに使えるようできるでしょう(組織・臓器は2,3時間しか持たない)。 スーパーマーケットの鶏肉についても同じことができると考えられます。患者が透析機で生存している間にがん化した腎臓に対して化学治療を行う、といった冷凍外科という分野が現れるかもしれません。

Cross-references to Swiss-Prot

Antifreeze glycopeptide polyprotein, Notothenia coriiceps neglecta (Yellowbelly rockcod) : P24856

References

  1. Biochemistry of fish antifreeze proteins.
    Davies PL, Hew CL
    FASEB J4p2460-8(1990 May)
  2. DeVries A.L.
    The role of antifreeze glycopeptides and peptides in the freezing avoidance of Antarctic fishes
    Comp. Biochem. Physiol. 90:611-621(1988)
  3. Evolution of an antifreeze glycoprotein.
    Cheng CH, Chen L
    Nature401p443-4(1999 Sep 30)
  4. Knight J.
    Life on ice
    The New Scientist magazine, vol. 158, issue 2132, May 2nd 1998, page 24











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